うなぎと言えば、土用丑の日に食べる方が多いのではないでしょうか。
スーパーでも土用丑の日になると、うなぎのかば焼きを盛大に売り出していますよね。
「だから、今日はうなぎにするか~。夏バテ予防にもなるしね。」
なんて感じで買っていく人がほとんどかと思います。
この状況を見ると、「うなぎって夏が一番おいしい」って思うのも当然です。
でもね、実際は夏じゃなくて冬なんですよ~!!
いや~、TVやマスコミにだまされた!って感じがしますが、どうして夏にうなぎを食べるのでしょうか。
養殖がさかんな現代でも旬は冬なのでしょうか?
ここでは、夏にうなぎを食べる理由をはじめ、うなぎの旬や地域による食べ方の違いなどについてお話していきます。
うなぎの旬は夏でなく冬だった!
うなぎは変温動物で、冬にはほとんど活動しません。
本格的に寒くなる前に体に栄養を蓄えるため、その頃のうなぎは脂がのっていておいしいのです。
つまり、冬眠直前の頃の晩秋から初冬(11月・12月辺り)のうなぎが最上級に美味しいということになります。
でも、この話は「天然のうなぎ」の話。
現在日本に流通するほとんどのうなぎは、養殖場で育てられたうなぎ。
年中いつでも美味しい状態で出荷しますので、当然需要の多い夏頃に合わせて育成する池が多いようです。
夏にうなぎを食べるきっかけはある有名人だった

ではどうして本来のうなぎの旬でない夏にうなぎを食べる習慣になったのでしょうか?
土用丑の日は、夏の土用の間(18日間)で日の十二支が丑である日のことで、だいたい7月25日あたりになります。
丑の日が1回の時もあれば2回の時もあったりします。
よく言われる平賀源内が仕掛けた罠という説です。

旬から外れた夏のうなぎはいまひとつ人気がなかったんだとか。
夏でも鰻が売れるようにするためにうなぎ屋は平賀源内に相談に行きました。
「『土用の丑の日』には“『う』のつくものを食べると縁起がいい”という習わしがあります。
それに目をつけた江戸時代の学者・平賀源内が、冬が旬のウナギを夏に売るためにうなぎ屋に頼まれて作った宣伝コピーを作ったことがはじまりといわれています。(真偽は不明です)
うなぎは昔から精をつけるのに良い食べ物として知られていたことも利用し、「精のつく鰻は夏を乗り切るのに最適」なんていうセールスポイントを加えて売ったら、大繁盛したんだとか。
うなぎにはタンパク質、ビタミン類、カルシウムなどの栄養素が豊富に含まれています。
古くから滋養強壮効果のある食べ物として扱われていたので、夏に食べるのは間違ってはいないようですね。
うなぎの生産量が多い地域ははどこ?
鹿児島県、愛知県、宮崎県、静岡県がうなぎの生産量が多い県になります。
「ウナギ料理として代表的な『蒲焼き』は、文化を重んじる城下町や門前町、宿場町で盛んに食されてきました。
うなぎの地域による食べ方(蒲焼き)の違い

うなぎは蒲焼として食べることが一般的ですが、地域によって調理方法が異なるって知ってますか?
私は愛知県なので、焼いて食べますが、主人は関東なので蒸したうなぎを食べていたそうです。
うなぎの開き方にも違いがあり、西日本では『腹開き』で、東日本では『背開き』が一般てきとのこと。
蒸すか蒸さないかは静岡あたりが境目
静岡県の浜松、愛知県の豊橋あたりを境に、西では蒸しを入れないようです。
関東ではいったん焼いたものを蒸し、タレを付けてからもう一度焼きます。
関西流のものは蒸す工程がないですが、焼きながら何度も串を持ってひっくり返します。
この作業を繰り返しているうちに身が揉まれ充分柔らかく焼き上がります。
まとめ
この「土用の丑の日」の印象が強すぎるせいか、鰻の旬を夏だと思っている方は結構多いようです。
でも、鰻の旬は秋~冬です。
味としては、冬のうなぎ方が脂がのっていて美味しいということもわかりました。
ちょうど熱さに体がダメージを受けてきたころに、うなぎで栄養補給をするというのは理にかなっていると思います。
土用丑の日の由来がどうであれ、今ではうなぎは夏の風物詩になっているので、夏にうなぎを食べてスタミナを補うのは良いことだなと感じました。